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前回はPhotoshopに搭載されたAI生成技術を紹介しましたが、今回はIllustratorです。
最新のIllustratorにもAI生成機能のAdobe Fireflyが搭載されています。
Photoshopでは正規版のバージョン25.0以上にAdobe Fireflyが搭載されており、次回のベータ版であるPhotoshop(Beta)ではさらに新化したAI生成機能が使用できる(ただしベータ版でAI生成したものの商用利用はNG)という内容でしたが、Illustratorではバージョン28.0以上にベータ版のAI生成機能が搭載されているというものです。
Photoshop(Beta)のようにベータ版という名称ですが、正規版のIllustratorに搭載されている事もあり、著作権等の問題は無いようで商用利用もOKです。
Illustratorではベクターの状態で生成出来るので、微調整等が出来て便利です。
Adobeのサンプルを読み込んでみると、山と川の幻想的なイラストの上に矩形が載っています。
Photoshopでは選択範囲に対してAi生成を行いましたが、Illustratorでは矩形(長方形)に対してAi生成を行います。
矩形を選択し「生成(Beta)」をクリックすると文字入力欄が出て来るので、そこに生成したいものを入力します。
今回は「キャンプテント」を入力し、見事に背景のカラーリングにマッチしたテントが生成されました。
なお背景のテイストに合ったものを出力するには、テキストからベクター作成(Beta)ウィンドウの「スタイル:参照アセット」で「アートワーク」にチェックを入れておく必要があります。
ここにチェックが無いとテイストを合わせてくれませんので注意が必要です。
テントが生成されたはいいものの、なんか地面とか周りが白いですね。
こういった要らないものがあれば、ベクターデータなので選択して消去できます。
生成されたオブジェクトはグループ化されているんですが、そのグループ内でさらに地面部分やテント部分がグループ化されており、編集にとても便利です。
グループ化するものもAIが判断しているんでしょうか、そのおかげで簡単に白い部分を消すことが出来ました。
生成されたオブジェクトは、バリエーションという名目で3つのパターン違いが選択出来たり色の変更が行えます。
一番外のグループを解除しない限り、グループの中を編集してもこの機能は無くなりませんので非常に便利です。
先ほどのオブジェクトの生成はIllustrator側から言うと「被写体」の生成でした。
機能として、「被写体」「シーン」「アイコン」「パターン」を選んで出力する事が出来ます。
背景の生成とタイトルには書きましたが、背景付き一枚絵というもので「シーン」を選択して生成します。
今回は「アルプスの山、川、ログハウスが一軒、写真のように美しい」という内容で試してみました。
「写真のように美しい」と入れたのはどこまで複雑なパスを生成するのか試してみたかったからですが、全然写真どころじゃないですね。
ちなみに、パスの複雑さは「ベンダーグラフィックの調整」という項目により最小から複雑まで5段階で調整できます。
複雑にしても正直そんなに複雑なものは生成されません。これをワードで強化出来るかやってみたのですがどうやら無理のようです。
もしかしたらパスの複雑さはPCのスペック次第で、私のPCがショボいからという事なのかもしれませんが…。
また、今回はもう少し横長の矩形に対してAI出力を行ったのですが、少し横幅が狭い状態で生成されました。
出力されたものは約100:72.6の比率になっており、縦長でも横長でもあまり細長いものは生成出来ませんでした。
もしかしたら何か設定で変更出来るのかもしれませんがちょっと今の所不明です。
先ほどのオブジェクトの生成はIllustrator側から言うと「被写体」の生成でした。
機能として、「被写体」「シーン」「アイコン」「パターン」を選んで出力する事が出来ます。
それぞれで「柴犬」を生成してみたらこんな感じです。
用途によって使い分けられるので便利です。
最近のWEBサイトはフラットアイコンやピクトグラム的なアイコンを多用する場合があり、私は「アイコン」に注目しています。
WEBサイトでは統一性が重要ですので雰囲気がバラバラのアイコンでは意味がありません。
同じテイストのアイコンが簡単に量産できればとても便利です。
…と思ったんですが、そもそもテイストを合わせる以前の問題で良い感じのアイコンを生成するのがかなり難しいです。
車の形がそもそも変だったり、男性と入れてるのに女性のイラストが出たり、日本人やアジア人を入力しても黒人が出たり…出力するものによってはまだまだ精度が低いと感じました。
これをテストしているPCはGPUがオンボードのノートPCなんですが、グラフィック関係の処理は元よりAIというもの自体がGPUを使用しますので、わりとちゃんとしたGPUが無いと実用レベルには届かないのかもしれません。
Photoshopの方は結構使えそうだったんですけどね。
PhotoshopとIllustratorに搭載されているAI生成機能であるAdobe Fireflyは、単体のアプリとしても存在します。
そちらはブラウザで使うWEBアプリですので処理にPCスペックは関係ありません。(通信環境は関係します)
まともなGPUが無い環境の場合はそちらを使った方がいいのかもしれませんね。