SGEとは?SEOへの影響や変化など、今後の対策について

SEO対策

Googleが提供する「Search Generative Experience(SGE)」は、検索行為に新しい風を吹き込む注目の技術です。
簡単にいうと検索が進化しました。
2023年から話題の人工知能(AI)を使って、私たちがGoogleで検索する際に、一つの場所に総括的な情報を提供してくれる仕組みです。全ての検索語句で表示されるわけではなく、あるトピックについて検索したとき、SGEはそのトピックに関する要点をまとめた概要や、さらに深く掘り下げるための質問提案をしてくれます。

SGEを使うと、ただのキーワード検索だけでなく、詳しい人と会話をしているかのように、より幅広い情報を得ることができます。
仮に、「日本の歴史とは」について検索すると、重要な出来事の概要だけでなく、関連する質問やさらに詳細を知るための関連リンクも提供されます。

現在、SGEは主に米国の英語圏ユーザー向けに提供されていますが、この技術により、情報検索の仕方が大きく変わると予想されています。この新しい検索体験は、ただ情報を見つけるだけでなく、その情報がどこから来たのか(出典を含む)、ひとつひとつの事象にとらわれずに、全体像を理解するという点を重視しています。これにより、インターネット上で溢れる情報の中から、より信頼性の高い、質の良い情報を見つけやすくなると言われています。

その反面、検索順位1位のサイトの上に表示されるなど、今後のSEOに対して不安視する声も聞きます。

本日は、SEOとはどのようなサービスなのか?SEOへの影響や予想される変化について解説します。

SGEとGemini(旧Bard)の違い

似たようなサービスにGemini(旧Bard)というものがあります。どちらもGoogleの提供するAI技術を活用したツールで、ユーザーの様々なニーズに応えますが、それぞれが目指す目的と機能には明確な違いがあります。
サービス自体は似ているので、どちらがどうなのか理解している人は少ないかと思います。

Google Gemin(旧Bard)

まずGeminはGoogle検索エンジン内ではなく、独立したサービスとして提供されています。
chatGPTのGoogle版のようなイメージです。
多目的に利用できるAIヘルパーとして開発されました。これは、日常的な質問から複雑な研究課題まで、幅広いタスクに対応できる万能な存在です。物語を作成することから、科学的な問い合わせ、さらには日々の小さな疑問に至るまで、Gemini(旧Bard)は多様な問題解決をサポートします。このAIは、ユーザーとの対話を通じて、情報提供やクリエイティブなアイデアの生成を行います。

SGE

Google検索エンジン内の情報を検索するために特別に設計された新しい技術です。
これは、あなたが検索エンジンに入力した具体的な質問やトピックに対して、深く、詳細な情報を提供することを目指しています。

SGEの一番の強みは、提供される情報の出典(出典先のリンク)を明示してくれることです。これにより、ユーザーは情報の信頼性を簡単に判断でき、特定のトピックについて深く知りたいときに非常に役立ちます。SGEは従来と比べて、より専門的で信頼性の高い情報を精査し提供することを目的としています。

SGEを表示するには

パソコンで表示する場合の設定

  1. Search Labsにアクセス。(ログインしていない場合は「ログインして続行」)
  2. 「SGEを有効にすると、検索時に表示されることがあります」のボタンをONにする
  3. ポップアップが表示されるので、「同意する」をクリック

これで、検索の際にSGEが表示されるようになります。

モバイル、スマートフォンの設定

パソコンと同じく GoogleアプリのSearch Labsにアクセスします。
アカウントのログインしてない場合は「ログインして続行」を押してください。

  1. Search Labsにアクセス。(Googleアプリ以外でアクセスしている場合は、Googleアプリのインストールを促されます)
  2. 「Google」アプリをインストール
  3. 「SGEを有効にすると、検索時に表示されることがあります」のボタンをONにする。

これで、モバイル端末でもSGEを使用できるようになりました。 いつも「Google Chrome」アプリを使用している方は、「Google」アプリでないとSGEが表示されない点は注意が必要です。

SGE画面とは、どんな種類があるのか

日本へ展開されたSGEの実際の画面を見てみましょう。
SGEでコンテンツが表示される位置や形式はケースによって異なります。

SEOで1位のサイトより上に表示される例

ウェブサイトが特定のキーワードでSEO1位にランクされていたとしても、SGEコンテンツがその上に表示されることがあります。

SGEコンテンツに表示されるウェブページのタイトルが、実際のウェブサイト上での1位に表示されるタイトルと異なることがあります。これは、SGEが古いバージョンのデータを基にしてコンテンツを生成している可能性があることを示しています。
つまり、AIが最新の情報を反映していない場合があるため、ユーザーに提供される情報が時には古いものが表示される可能性があります。
このような事が起こらないように、自社サイトの情報更新には気を配る必要があると言えます。

リスティング広告より下に表示される例

従来、ウェブサイトがSEOで1位にランクされた場合、そのページは検索結果の最上部に表示されることが一般的でした。しかし、SGEの導入によって、この表示順序が変わりつつあります。

現在、多くの検索結果では、リスティング広告が最上部に表示された後、SGEによって生成されたコンテンツがその次に配置されています。SGEコンテンツの下にもリスティング広告が配置されることがあり、これにより、従来SEOで1位に表示されていたウェブサイトは、ユーザーがスクロールしないと見えない位置に追いやられてしまいます。

SEOで上位にランクされていても、ユーザーの目に触れにくくなるため、ウェブサイトへの訪問者数が減少する可能性があるとされています。

強調スニペットの上に表示される例

 

これらはどちらも検索キーワードに関連する答えを提供する点で似ていますが、提供する情報の形式や生成方法に違いがあります。
強調スぺニットSGEコンテンツの違いとは、強調スニペットが特定の情報源からの抜粋をそのまま表示するのに対し、SGEコンテンツはAIが複数の情報源から情報を収集・統合して新たに生成するため、より柔軟で幅広いコンテンツの表示が可能になります。
これにより、ユーザーは様々な視点からの情報にアクセスし、より深い理解を得ることができるようになります。

強調スニペット

強調スニペットは、ユーザーの検索クエリに対する具体的な答えや情報を、特定のWebページから直接抜粋して検索結果の上部に表示する機能です。

例えば、「世界で最も高い山は?」という検索に対して、「エベレスト山」という答えと、その情報が掲載されているWebページの一部分が強調表示されます。この方法では、特定のページからの情報のみを提供するため、その情報の正確性や最新性は、引用されたWebページに依存します。

SGE

一方、SGEは、Googleの最先端のAI技術を活用して、複数のWebページや情報源から収集したデータを基に、ユーザーの質問に対する総合的な概要や答えを生成します。

これにより、特定のWebページに限定されず、幅広い情報源からの知識を統合して、より包括的で多角的な視点からの答えを提供できます。

SGEが実際に使用されるシーンとは

SGEは私たちが何かを選ぶ際に、簡単かつ迅速に幅広い情報を提供してくれる強力なツールです。
ユーザーのニーズに合わせてカスタマイズされた情報を提供することで、短時間でよりよい選択をすることが可能になります。

購入する製品を選ぶ場合

例えば、新しいスマートフォンや家電を購入したいが、どのモデルを選ぶべきか迷っている場合、SGEは選択を助けてくれます。

特定の製品カテゴリーで「最良の〜」や「〜の比較」といった検索クエリを入力すると、SGEは様々なモデルの特徴、価格、ユーザーレビューの要約を提供し、それぞれの製品の長所と短所を理解するのに役立ちます。
これにより、購入選択をより簡単に、そして情報に基づいて行うことができます。

レストランや観光地を選ぶ場合

旅行先でのレストラン選びや観光地を決めたい時、SGEは地域に基づいたおすすめの場所を提案してくれます。

例えば、「大阪のベストレストラン」や「京都の観光スポット」と検索すると、SGEはレビューや評価、特別な提供情報を含めたおすすめのリストを提供します。これにより、選択肢の中から自分のニーズや興味に最も合った場所を見つけやすくなります。

映画や本を選ぶ場合

何を観るか、何を読むか決めかねている時、SGEを利用してジャンルや好みに合った映画や本を見つけることができます。例えば、「サスペンス映画おすすめ」や「心温まる小説」などの検索クエリを入力すると、SGEは評価の高い作品のリストや、その作品の簡単なあらすじ、なぜ人気があるのかという情報を提供してくれます。

これらの例から分かるように、SGEは私たちが何かを選ぶ際に、簡単かつ迅速に幅広い情報を提供してくれる強力なツールです。
ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズされた情報を提供することで、より良い選択を可能にしてくれます。

今後のSGEとSEO対策

現在、多くの検索結果では、リスティング広告が最上部に表示された後、SGEによって生成されたコンテンツがその次に配置されています。
SGEコンテンツの下にもリスティング広告が配置されることがあり、これにより、従来SEOで1位に表示されていたウェブサイトは、ユーザーがスクロールしないと見えない位置に追いやられてしまいます。

この変化の影響で、ウェブサイト運営者は新たな課題に直面しています。SEOで上位にランクされていても、ユーザーの目に触れにくくなるため、ウェブサイトへの訪問者数が減少する可能性があると言われています。

新しい検索環境を理解し、適切に対応することで、変化する検索エンジンの仕組みの中でもホームページの可視性を確保し、有効なトラフィックを獲得し続けることができるよう日々の改善が求められます。

実体験など一次情報を入れる

コンテンツに実体験や一次情報を取り入れることで、コンテンツの価値と信頼性を高める方法について、初心者でも理解しやすいように説明します。インターネット上には膨大な情報が溢れていますが、その中には個々の経験や実体験に基づく貴重な情報も含まれています。

他では得られないユニークな洞察やアドバイスを含んでいることが多く、読者にとって大きな価値があります。
このような実体験や一次情報を組み込むことで、単なるデータや統計にとどまらない、読者の興味を引くストーリーを生み出すことができます。
たとえば、特定のレストランについての情報を提供する際、メニューや営業時間だけでなく、訪れた人の感想やおすすめの料理、レストランの雰囲気を伝える写真を加えることで、読者がその場所の魅力をよりリアルに感じ取ることができます。
また、一次情報を取り入れることは、情報の信頼性を高める効果もあります。

情報が溢れる現代において、このようなアプローチは、情報の質を向上させ、読者との強いつながりを築くために非常に重要です。

E-E-A-Tを高める

ホームページの専門性、経験、権威性、信頼性(E-E-A-T)を高めることは、より良い体験を提供するために重要です。
ここでは、簡単にですがE-E-A-Tを高める解説を説明します。
E-E-A-Tとは、Googleがホームページの品質を評価する際に重視する4つの要素です。これにより、ユーザーにとって有益で信頼できる情報を提供するウェブサイトが検索結果の上位に表示されるようになると言われています。

専門性

あなたのホームページが扱っているトピックに関する深い知識や経験を示すことが重要です。
これは、専門的な記事やガイド、実体験に基づいたアドバイスを通じて、あなたがその分野の専門家であることを読者に伝えることで達成できます。

経験

実際に経験したことに基づく情報を提供することで、コンテンツにリアリティを加えることができます。
例えば、旅行ブログであれば、実際に訪れた場所の写真や体験談を共有することが挙げられます。

権威性

ホームページがその分野で認知され、尊敬されていることを示す必要があります。
業界内の他の専門家からの引用や推薦を得ることで達成できます。

信頼性

訪問者があなたのウェブサイト上の情報を信頼できると感じるようにすることが重要です。これには、正確で最新の情報を提供し、出典を明示することが含まれます。

SGEは、あなたのウェブサイトのコンテンツを様々な情報源からの知識で補完し、より包括的で多角的な視点を提供することができます。E-E-A-Tを高めることは、検索エンジンのランキングを改善し、より多くの訪問者を引き寄せるための鍵となります。

詳しくはこちらの関連BLOGをご覧ください。
Google評価品質ガイドラインE-E-A-Tを理解する

SNSなど検索以外の流入を増やす

SNSなど他のプラットフォームでの訪問者の流入を増やす有効なツールになり得ます。

コンテンツをより豊かで魅力的なものにすることで、SNSでの共有やエンゲージメントを促進し、結果的にサイトへの流入を増加させることができます。

このようにしてSNS上で、新しい視聴者を引きつけ、ウェブサイトへの訪問者数を増やすことが可能になります。
SGE利用して様々な情報やデータを分析し、どのような内容が人々の関心を引くのかを調べる方法もいいでしょう。

SGEで得た知見をもとにSNSコンテンツの戦略を調整し、より多くの共有やいいねを得ることができれば、自然とウェブサイトへの流入も増加します。

また、SGEによって提供される包括的で多角的な情報は、ユーザーが求める質の高いコンテンツを作成するのに役立ちます。このようなコンテンツはSNS上での議論を生み出しやすく、ブランドの認知度を高めることにも繋がります。
SGEとSNSを効果的に連携させることで、検索エンジンからの流入に頼ることなく、多様なルートからホームページへの訪問者を増やすことができます。

Googleビジネスプロフィールに登録する

Googleビジネスプロフィールに登録することは、特に地元のビジネスにとって非常に重要です。
これは、Googleの検索結果やGoogleマップ上であなたのビジネスが見つけやすくなるようにするためのものです。

簡単に言うと、Googleビジネスプロフィールは、あなたのビジネスのデジタル看板のようなものです。
お客様に営業時間、住所、電話番号などの基本情報から、お客様のレビューまで、潜在的な顧客が知りたい情報を全て提供します。

例えば、良いレビューを多く持っていると、Googleの検索結果でより上位に表示される可能性が高くなります。
また、プロフィールに魅力的な写真や現在のプロモーション情報を追加することで、訪問者の関心を引き、実際にビジネスを訪れるか、サービスを利用するかを決める際の後押しになります。

しかし、ただ登録するだけではなく、プロフィールを常に最新の状態に保つことが重要です。営業時間が変更になった場合や、新しいサービスを提供し始めた場合は、速やかに情報を更新しましょう。

これにより、顧客が正確な情報を得られるようになり、ビジネスへの信頼性が高まります。Googleビジネスプロフィールへの登録とその最適化は、オンラインでのビジネスの成長を促進するための最初のステップです。
このプロフィールを通じて、潜在的な顧客との接点を作り、ビジネスをさらに発展させる機会を得ることができます。

詳しくはこちらの関連BLOGをご覧ください。
ローカルSEOとは?MEOとの違いや対策方法、メリットを解説!

まとめ

SGEの登場により、検索環境に変化が予想されますが、これがSEO(検索エンジン最適化)を無効にするわけではありません。

むしろ、SEOの基本的な考え方や戦略を再確認し、適応することがこれからも重要です。SGEは、ユーザーがより関連性の高い、質の良いコンテンツを求める検索傾向を強化すると考えられます。

そのため、「オリジナリティあるコンテンツの作成」と「SGE導入後の分析と改善」に重点を置くことが、現在および将来のSEO戦略で成功する鍵です。

オリジナリティあるコンテンツとは、単にユニークであるだけでなく、ユーザーにとって価値のある、役立つ情報を提供するものです。SGEによって提供される情報は広範囲にわたりますが、人間だけが持つ経験や感情を通じた視点を加えることで、コンテンツはさらに魅力的になります。SGEやその他の生成AIの技術が進化し続ける中で、その強みと弱みを理解し、質の高いコンテンツ作りを続けることが、成功への道とも言えるでしょう。
技術の変化に対応しながらも、ユーザーにとって最も価値のある情報を提供することが、どの時代においても重要な戦略となります。

関連リンク

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